屋根裏の物音の正体が害獣だとわかったとき、次に出てくるのが「この費用、うちが払うの?」という疑問です。賃貸・持ち家・分譲マンションで答えは変わります。ここでは条文にあたって、負担の線引きと、もめないための進め方を整理します。
結論:賃貸なら、建物の隙間など構造上の原因による害獣被害の修繕は、原則として貸主(大家)の義務です(民法606条)。ただし入居者には「遅滞なく通知する」義務があり(615条)、黙って自分で手配すると請求が通りにくくなります。まず管理会社へ連絡、これが最短ルートです。
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この記事の目次
賃貸:原則は「貸主の修繕義務」
(賃貸人による修繕等)第六百六条 賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。
出典:民法(明治二十九年法律第八十九号)第606条・e-Gov法令検索
屋根瓦のずれ、軒下の換気口の破損、基礎のひび——こうした建物側の原因でネズミやハクビシンが入った場合、「使用及び収益に必要な修繕」に当たると考えるのが自然です。侵入口の封鎖は建物の修繕そのものですから、貸主の負担になるのが原則です。
逆に、ただし書きの「賃借人の責めに帰すべき事由」に当たるケースもあります。ベランダに餌になるものを置き続けた、窓を開けたまま長期不在にした、ペットフードを屋外に放置していた——このような事情があると、入居者側の負担が問われることがあります。
入居者がやるべきこと:まず「通知」
(賃借人の通知義務)第六百十五条 賃借物が修繕を要し、又は賃借物について権利を主張する者があるときは、賃借人は、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならない。ただし、賃貸人が既にこれを知っているときは、この限りでない。
出典:民法第615条・e-Gov法令検索
大家・管理会社が動かないときは
(賃借人による修繕)第六百七条の二 賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。一 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。二 急迫の事情があるとき。
出典:民法第607条の2・e-Gov法令検索
通知したのに相当の期間が過ぎても動かない場合や、急を要する場合には、入居者が自分で修繕できる旨が定められています。ただし費用が当然に全額戻る保証ではありません。実際の精算は契約内容と個別事情によるため、以下を必ず残してください。
連絡より先に業者を手配すると、費用が戻らないことがあります。「通知したか」「大家に修繕の機会があったか」が、後の精算で必ず問題になります。順番は①記録 → ②管理会社へ連絡 → ③指示を受けて手配です。
- 通知の記録——メールやメッセージなど、日付が残る方法で連絡する(電話だけにしない)
- 被害の記録——フン・かじり跡・侵入口の写真、音がした日時のメモ
- 見積書——作業内訳(追い出し/封鎖/清掃消毒)が分かれているもの。→ 業者の選び方7つのチェックポイント
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ケース別の負担区分【早見表】
| 住まいの形 | 原因 | 費用を負担するのは | 最初にすること |
|---|---|---|---|
| 賃貸(アパート・戸建て) | 屋根・外壁・換気口など建物の隙間 | 原則は貸主 | 管理会社へ通知(記録を残す) |
| 賃貸 | 入居者の使い方に起因(餌の放置など) | 入居者の負担が問われうる | 状況を正直に共有して相談 |
| 分譲マンション(専有部) | 室内の隙間・配管まわり | 区分所有者(自分) | 組合に報告 |
| 分譲マンション(共用部) | 外壁・屋上・パイプスペース | 管理組合(管理費・修繕積立金) | 管理会社・理事会へ報告 |
| 持ち家 | すべて | 所有者(自分) | 見積もりを2〜3社で比較 |
| 実家・空き家 | すべて | 所有者 | 被害が進む前に点検(不在宅は発見が遅れる) |
火災保険・補助金は使える?
駆除費用そのものは火災保険の対象外が一般的です。ただし害獣が原因の建物破損については、契約によって補償の可能性があります。→ 害獣被害に火災保険は使える?
自治体の補助は、地域と目的が限られます。「補助ありき」で計画を立てないほうが安全です。→ 害獣駆除に補助金は出る?関東の実態
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費用負担についてよくある質問
Q. 管理会社が「入居者の負担」と言っています。従うしかない?
原因が建物側なら、まず「どの部分が入居者の責めに帰すべき事由に当たるのか」を具体的に確認してください。侵入口の写真と見積内訳があると話が進みます。合意できない場合は、お住まいの自治体の住宅相談窓口や消費生活センターに相談する方法があります。
Q. 退去時に「害獣の被害」で敷金から引かれました
建物側の原因による被害まで入居者負担とするのは一般的ではありません。入居中に通知した記録があれば、それが根拠になります。記録を添えて内訳の説明を求めてください。
Q. 大家です。入居者から連絡が来ました
まず点検で侵入口を特定し、封鎖と清掃消毒まで含む見積もりを取ってください。追い出しだけでは再発し、結果的に費用が増えます。→ 再発防止工事の内容と費用
Q. 見積もりだけ取って、大家に渡すことはできますか?
できます。駆除太郎の点検・見積もりは無料で、作業内訳を分けた書面をお出しします。提出用として使っていただけます。
まとめ:順番を守れば、負担の話はこじれない
賃貸で建物側が原因なら、修繕は原則として貸主の義務です。ただし入居者には通知義務があり、「記録する→通知する→指示を受けて手配する」の順番を外すと、正当な負担も認められにくくなります。持ち家・分譲は自分の負担になるぶん、内訳を比べて選ぶことが節約に直結します。
あわせて読みたい:空き家を放置すると害獣が住み着く
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運営:株式会社uloie「駆除太郎」/本記事は2026年9月時点の情報をもとにしています。

















